ペーパーサミットインタビュー企画4回目は、初回のペーパーサミットから参加され、実行委員長を務める、有限会社サンクラールの代表矢田幸史さんにお話を伺いました。
矢田実行委員長について
現在、矢田さんが代表を務める有限会社サンクラールは、昭和49年に父親が創立した印刷会社。18歳で入社し30歳まで印刷機械のオペレーターとして現場で働いたのち、工務や外注手配、営業職を経て、36歳の時に代表取締役を就任されました。創業当初から理念とされている「“できない”を“できる”に変える」という想いは今も変わらず、矢田さんの軸になっているようです。
そんな矢田さんは現在、大阪府印刷工業組合の理事をされていますが、委員活動に参加されるようになったのは10年前。大阪府印刷工業組合はそれまで組合員向けの活動が主でしたが、外向きにも活動を広げようと6年前に渉外特別委員会が立ち上がり、そこでペーパーサミットが誕生したそう。ペーパーサミットが誕生するきっかけは何だったのでしょうか。
ペーパーサミットのはじまり
印刷組合として、外向きの活動をしていこうという話の中で出てきたのが、紙や文具の展示販売イベントの「紙博」や「文具女子博」でした。いま、女性が紙ものにすごく興味を持っているという情報を得て、そんなイベントをやろう!ということで企画がスタートしたそうです。
ただ、印刷組合だけでイベント運営は難しいと判断し、当初からクリエイターとの協力体制を構築。矢田さんが懇意にしていたMEBICの協力も得て本格的にスタートしました。「ペーパーサミット」という名前には「紙育」の想いが込められており、紙や印刷に対する教育も含めたイベントになればという想いで命名されたそうです。まさに、紙や印刷を使ったワークショップは子供も大人にも大盛況で、今も人気のコンテンツとなっています。
来場者数が3倍に成長したペーパーサミットの軌跡
そうして始まったペーパーサミットは、クリエイターの力も借りながら手探りでスタート。当時集客を頑張ったこともあり初回にも関わらず約700名の来場者がありました。当時はまだコロナ禍でもあったことから、会場内の人数制限があり、入口に長蛇の列ができる状態だったそう。そこで、2回目にはフロアを2倍にし、入場も事前予約制を取り入れ、時間帯を分けて入場できる仕組みを作り、約1200名の来場者となりました。しかしイベントとしてはうまくいきましたが、運営としては組織化ができておらず、クリエイターや印刷組合員の力を借りながらも、すべて矢田さんが主導で動く形になっており、かなり大変な状況だったようです。
そうして3回目を迎える際に、正式に実行委員会を立ち上げ、MEBICの協力の元、クリエイターと印刷組合員が半分ずつになるように構成しました。チーム分けを行いチーム主導で動くことで、実行委員長はリーダーとして決断や全体調整に集中することができ、運営としてかなり組織化されました。そんな3回目は2日間開催となり約2400名もの方に来場いただきました。初回から着実に来場者を増やし、3倍にまで成長する大きなイベントとなっています。
サンクラールのこれまでのコラボ商品
実行委員長として
会社の代表も務める矢田さんは、ペーパーサミット実行委員長としても、組織のリーダーを担っています。リーダーとしてどのような想いを持たれているのかを伺うと、「人の意見を聞くこと」「リーダーとして決断すること」そして「毎年必ず成長すること」を挙げられました。「同じことを繰り返すってつまらないから」と、新しいことにチャレンジすることを大切にされているそう。とはいえ、それは簡単なことではありません。「大変なことをしないと意味がない」と言い切る矢田さんの言葉は、印刷産業としても、誰でもできることだけをやっていてはいけないという危機感と、「“できない”を“できる”に変える」という会社の理念にも通ずる部分でした。
ペーパーサミット2025の新たな試み
そうして、今回新たに挑戦するのは「有料化」。これについては、組合内でもいろいろな意見があったようですが、矢田さんがこの挑戦に踏み切ったのには先を見据えた想いがありました。
「イベントとして自立できる体制を整えたい」と言う矢田さん。そこでまず挑戦したのが「有料化」だったのです。今回はお買い物チケットが付き、実質無料ではありますが、有料化することで、来場数の増減や来場者層にどのような変化があるのかも、実験の1つ。今回の挑戦を経て、次回、次々回へとつないでいくことを考えられていました。
また、その分これまでとは違った面白みや楽しさを提供するために、今回は「デザインのひきだし」の津田編集長とのコラボも実現。ペーパーサミットでは初めてのトークイベントも開催されます。「ペーパーサミット」という名前を決めた時、「紙育として、セミナー開催などもできれば」と言っていたことが、ここで実現する形となりました。
ペーパーサミットへの想いとこれから
今回、色々と新しいことに挑戦しているペーパーサミットについての想いを伺うと、「昨年と同等もしくはそれ以上の来場者数を目指したい」そして「混乱なく運営し、実行委員会としてシステム化し継承していけるような体制をつくりたい」とのことでした。
また、今後のペーパーサミットについて「全国で行われるようなイベントになれば良いな」と今後益々成長していく姿を想像していらっしゃいました。
今回で4回目を迎えるペーパーサミット。毎年成長を続ける裏には、矢田さんを中心とした運営スタッフの汗と努力、実験と検証を繰り返している結果があるのだと感じました。
実行委員会では、来場するお客様と出店する参加者の皆様に楽しんでいただけるイベントとなるよう、日々尽力しております。多くの方にご来場いただき楽しんでいただければと思います。
また、今回も矢田さんが代表を務める有限会社サンクラールでは複数のクリエイターと製作したコラボ作品が多数出品されます。ぜひ、サンクラールさん独自のキラキラきれいな印刷技術を活かした作品をご覧ください。
矢田委員長、お忙しい中ありがとうございました。
■ 社 名 有限会社サンクラール
■ 代表者 代表取締役 矢田幸史
■ 創 立 昭和49年4月1日
■ 会社設立 昭和60年7月6日
■ 従業員 14名
ホームページ:https://www.sunklarl.co.jp
オンラインショップ:https://sprism.official.ec
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