コラボ経験者へインタビュー Vol.3「紙もの雑貨スキカッテの福田愛子(ふくだあいこ)さん」

ペーパーサミット参加企業様へのインタビュー企画。

3回目は、初回のペーパーサミットから参加され、多数のコラボ作品を生み出しているクリエイター「紙もの雑貨スキカッテ」の福田愛子(ふくだあいこ)さんにお話を伺いました。

目次

独立までの道のり

香川県出身の福田さんは、幼少期から伝統工芸や美術に触れることが多かったそう。大学で本格的にグラフィックを学び、広告制作会社や雑貨企画の経験を経て、2015年にグラフィックデザイナーとして独立されました。独立後は、人とのつながりを活かして仕事を獲得され、WEBデザイナーとデザインユニットも立ち上げるなど、精力的に活動されています。
そんな福田さんがペーパーサミットに関わるようになったきっかけはなんだったのでしょうか。

ペーパーサミットとの出会い

ペーパーサミットというイベント企画を聞いた時、紙や文具が好きだった福田さんは、「今まで思い描いていたものが、形にできるかも!」と初回の説明会へ参加されました。
当初は、実行委員会という組織はなく、印刷組合が主体で運営が始まったペーパーサミット。説明会で運営メンバーから声をかけられ、コラボクリエイターとしてだけではなく、クリエイターの視点からアドバイスを行う形で、運営にも関わることになったそう。現在ではクリエイターと印刷組合員で構成されている実行委員会も、この頃の運営メンバーの多大なる尽力のおかげで、イベント運営の基礎ができていると感じます。

ブランドの誕生

元々、「これを作りたい!」という想いがあったそうで、説明会時に参加されていた印刷会社へ直接声をかけ、商品開発が始まったとか。
そうして、いろいろな印刷会社とコラボ作品を作っている中で、ペーパーサミットでは販売できてもそれ以外で売る場所がなく、記念商品のようになってしまうことを危惧し、「お客様に届けるために作ったので、届ける場を作らないといけない」とブランドの立ち上げを決意されました。現在は、独自ブランド「紙もの雑貨スキカッテ」として日本各地の様々なイベントへ出店し、販売活動をされています。

届けるための商品開発

ペーパーサミットがきっかけで誕生した独自ブランド「紙もの雑貨スキカッテ」というブランド名には、「自身が“好き”と思える納得したものしか作らない」ということと、「使う人が好きに使ってほしい」という想いが込められているそうで、商品開発時にはそれがいつも軸になっているそう。
機能や素材を重視した特殊紙のノートは、使う人が自分流に使えるように考えられていますし、文具好きによくある、余りがちな万年筆インクの新しい使い方を提案した封筒の飾り紙は、好き勝手に塗ってもおしゃれにかわいく仕上がる工夫がされています。
商品一つひとつにこだわりを持って開発されていて、自分の“好き”だけではなく、世の中の需要や困りごとにしっかり考慮して商品づくりをされていました。
そうしてできた商品は、福田さんご自身でかなり細かく検品もされているそうで、「お客様に商品を届ける」という想いを大事にされていることが伺えます。

届けるための販売

そんな風に生まれた商品たちを、どのように販売されているのかを伺いました。
「見やすく、手に取りやすいディスプレイやサンプルづくりも大切だけれど、一番大切にしていることは“伝え方”」と仰る福田さん。イベント出店時にはお客様に丁寧に商品の使い方や面白さを伝えると言います。見ただけではわからない商品の良さを、伝えることで購入してもらえることも多いんだとか。そのために実演をしてみたり、動画を見ていただいたりと工夫されていました。
販売先もイベント出店か商品に合うお店のみと限定されている上、商品自体の魅力を引き出すためのパッケージにもこだわって制作されていて、どこまでも商品へのこだわりと愛情を感じます。

印刷会社とのコラボ

これまで様々な印刷会社とコラボ商品を開発してきた福田さん。コラボ時には必ず印刷会社へ足を運び、現場を見せてもらうとか。自分が知っている以上の技術や知識を聞くことで、「その技術で何か作りたい」という技術先行の商品開発もされていました。
たくさんのアイデアが生まれる背景には、日本各地のイベントに参加され、たくさんのお客様や出店者と話すことが、世の中を知ることや新しいアイデアの種になるそう。
「印刷会社の方にもぜひ、いろいろなイベントを見に行ってほしい」と仰る福田さん。どのような商品が好まれているかだけでなく、ディスプレイの工夫や販売を目的とするだけではないイベントそれぞれの創意工夫が見えてくるそうです。クリエイターまかせの商品開発では、今までの受注生産と同じになってしまうので、コラボする際には一緒に考えていくことが大事だと改めて気付かされました。

福田さんの夢

日々忙しくされている福田さんの今後の夢について伺うと、「紙をつくること」「紙の無駄をなくすこと」「お店を持つこと」と仰られました。
商品に使っていた紙が廃判になってしまうこともあり、「スキカッテらしい紙を自分で作れたらいいなぁ」と楽しそうに語る福田さん。一方で、紙製品を作っているとどうしても出てしまう“ゴミ”となってしまう紙についても、「紙の1mmまで無駄なく使いたい」と、端紙の利用方法なども検討されていました。紙好きの行き着く先はここまでくるのかと驚きです。
また、ご自身のお店についても「いつか持てたら」とお話されていて、スキカッテファンのためにもぜひ叶えてほしいと思いました。

イベントの合間を縫って、インタビューに協力いただいた福田さん。商品への愛が詰まっていて、商品開発秘話はずっと聞いていたいと感じるほど、楽しいインタビューでした。
ペーパーサミットでは過去のコラボ作品も販売されていますので、ぜひ「紙もの雑貨スキカッテ」さんの商品を手に取ってみてください。

福田さん、お忙しい中ありがとうございました。

【クリエイター情報】
紙もの雑貨スキカッテ/ふくまつでざいん
ふくだあいこ
X(旧Twitter): https://twitter.com/sukikatte_kmz
Instagram:https://www.instagram.com/sukikatte_kamimono/

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

目次