見学&ブレスト会レポート

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今年は「印刷会社とクリエイターの絆を深めよう」がテーマです。

実行委員会で企画された見学&ブレスト会に名乗りを上げてくださった10社のレポートをまとめて紹介します。

会を主催してくださった印刷会社・加工会社のみなさま、足を運んでくださったクリエイターのみなさま、暑い中本当におつかれさまでした、ありがとうございました!

なお、参加クリエイターはクリエイティブネットワークセンター大阪 メビックのご協力により募集をしていただきました。印刷会社とクリエイターとの絆が深まって、今年のペーパーサミットもいい化学反応が生まれそうです!

目次

8/18 株式会社丸紀印刷

シール印刷にかける想いを伺いながらじっくり工場を見学させていただきました。ひとつの機械で印刷→加工→抜き→はがしまで加工する工程を見ることができました。

丸紀印刷さんの工場の様子
  • 永久接着or再剥離といった用途
  • 食品や薬品などの業種

などによって原紙や溶剤を使い分けるといった工夫や、印刷メーカーへのコンサルティング。
特色をすべてデーターベース化して、安定した品質を担保されている、といった姿勢をご教示いただきました。

品質を示す数々の賞状も掲載
品質を示す数々の賞状

職人としてもそれぞれスタンスの違いがあり、非常に勉強になりました。
ペーパーサミットでは提案営業のサンプルとして出せるような製品ができると嬉しいとのことでした。

8/21 ホウユウ株式会社

ホウユウさん

同社で製造されている「もずふるサブレ」の、可食インク(食品)プリンターの印刷を見学させていただきました。

表面がデコボコしたものにも、かなり細かい模様や文字が印刷できることにビックリ!実際に印刷するところを見ると、ものの厚みや凹凸がどの程度影響しそうか、どんなものなら印刷できそうか、イメージがしやすくなりますね。包装の機械も合わせて見せていただけて、とても勉強になりました。

印刷の様子

高さは10cmくらいまで大丈夫。バースデーケーキなどのデコレーションにも使えるそうです。
インクの素材は食紅なので無害で無味無臭。
吹付け印刷なので凹凸にも強く、素材の色によっていい風合いが出ると思いました。

食品への印刷

アイデア豊富なホウユウさんでは、新商品を見せていただいたり、開発の裏話をお聞きしたり…

ブレストの様子
ブレストの様子

ブレストは新商品を中心とした情報交換になりました。

現在の技術だけにこだわるのではなく、新商品やこれからやりたいこと、やろうと思っていることなどを共有する有意義な時間になりました。

8/22 白石封筒工業株式会社

白石封筒工業さん

封筒の製造工程のお話を聞き(紙の仕入れ→印刷(外注)→トムソン→折り、のり加工→納品)、実際の断裁、加工を見せていただきました。

工場見学の様子

それぞれの機械の役割や機構などを間近で説明を聞きながら見ることができました。
デザイナー側からすると普段モニターで確認や指定をしている寸法や位置合わせなどを、実物に定規を当てて職人さんが機械の細かい微調整を繰り返し製造している現場は刺激的でした。

現場の職人の様子

現場で長年の経験と試行錯誤を繰り返して製品ができていることを改めて実感することができました。
また、小部数アイテムの制作やサンプル制作用のプロッターなども拝見し、いくつか進行中のアイテムも見せていただきました。

工場見学をじっくり回ったことで、ブレスト会の時間があまりなかったですが、封筒にこだわらず設備や技術を使ってできる製品アイデアの話はできました。
白石さん、ありがとうございました!

8/29 有限会社サンクラール

サンクラール外観

最初に、Sプリズムプリントについて簡単にお話を聞いた後、今制作中のオリジナルカレンダーを印刷しているところを見学させていただきました。

銀箔の上にカラー印刷をすることで生まれる3つの特徴
①多色やグラデーションの表現ができる。②原画に合わせた、方向性のある光の表現ができる。③見る角度によって色が変化する表現ができる。

Sプリズムプリント

これについて、箔押しのみ、色のみ、両方印刷したものを見比べられて、とてもわかりやすかったです。
箔判(銀)に細かく刻んである線が、光の模様を生み出す。この版をつくることを「エッチングデザイン」と言うそうです。

これはデザインの中でもかなり特殊な技術だと思いました。箔押の圧力まで考慮しながら、色を重ねたあとの完成形をイメージするのは非常に難しそうです。
工場見学後は、これまでに制作されたものや秘蔵サンプルを見せていただきながら、懇談会になりました。

サンクラールでのブレスト会の様子

Sプリズムプリントと、PET加工や白印刷との組み合わせ効果など、印刷物を見ただけではわからない工程についてもお聞きできて、とても勉強になりました。

8/30 旭紙工株式会社

旭紙工さんの外観

印刷物の最終工程である製本加工。断裁、折、中綴じ、無線綴じ、カレンダー製本など、多種の製本工程について、簡単なレクチャーをいただいた上で2時間半あまり工場見学させていただきました。

旭紙工さんでの工場見学

巻き折り加工や裁断などの工程に対応する様々な機械は見本市さながらで、一定のリズムで動かし続ける職人さんたちの動きはきれいでした。

旭紙工さんでの工場見学

機械への説明を記載するボードなどが用意してあり、見学への配慮、職員さんの細やかなあいさつなど、非常に素晴らしい取り組みをされておられることがわかりました。

旭紙工さんでの工場見学

印刷、加工技術に詳しい方が見に行ったら、興奮間違いなしだと思います。

8/31 株式会社新聞印刷

社長の挨拶から始まり、会社の歴史などを伺ったあと、作業場を見学させていただきました。大変細やかに準備をしてくださっていました。

その後、社員の方2名こちら2名のグループで、2グループに別れてブレストを行いました。
最後に、各々の意見・感想を発表して解散という感じでした。

新聞印刷さんでのブレストの様子

小グループで発言しやすく、ざっくばらんにお話できたと思います。
また、社員の皆さまも、「普段同じメンバーでアイデアを出し合っているので、なかなか新しいアイデアが出ない中、今日は色んな発見があった」と、喜んでくださいました!

新聞印刷さんの自分史

しっかりブレストができたな!という感じで、楽しかったです。

9/1 田中手帳株式会社

田中手帳さんの事務所併設の工場

糸綴じを主とした手帳製本の工程を見学させていただきました。見学は2箇所。事務所併設の工場と車で5分ほど(送迎いただきました)の工場を見学。

インデックス事業部

印刷が終わった状態のものを断裁して折って、丁合いして、綴じて、1冊の手帳やノートに仕上げていく一連の工程を間近で見学できました。

田中手帳さんの工場見学の様子

インデックス加工の様子も見させていただきました。
普段お店で何気に手に取っているインデックス付きの手帳やノートの製造過程における工夫と技術が詰まった裏側の一端を知ることができました。

田中手帳さんのブレスト会の様子

見学後は田中手帳さんが推していきたい3つの技術に焦点を当て、参加者でブレストを行いました。
現実的な部分(予算や工数)にはいったん目を瞑り、自由に意見を出し合い付箋にアイデアを書いて整理しました。

参加者全員の発想や妄想などを聞くことができ、楽しくも充実したブレスト会になりました。
ありがとうございました!

9/6 作道印刷株式会社

作道印刷さん

プレゼン会で、鎧みたいなすごい手甲をつけておられた木村課長が、受注~制作~製造~出荷までの流れを、とても詳細にご説明くださいました。

東和会青年クラブさんのプレゼンの様子
作道印刷さんのブレスト会の様子
作道印刷さんの工場の様子

厚紙でできた大きな封筒に、一案件ごとの資料をぜんぶ入れたものが、制作物といっしょに各部署をまわっていく、最後は資料庫で期限まで保管する。といった管理のシステムがとても効率よく整備されている印象でした。

牛乳石鹸のパッケージ印刷がされている様子

印刷、型抜き、組み立てまでの一貫生産体制があるので、タイムロスが少ない。牛乳石鹼のパッケージは一日32万個生産されている、というのにおどろきました。製造ラインは、目にもとまらない速さで圧巻でした!

9/7 谷口シール印刷株式会社

谷口シール印刷さんでは、シール、ラベルの製造工程を存分に見学させていただきました。

谷口シールさん外観

たくさんの機械が動いている様子や、職人さんたちの働く姿にたいへん心惹かれました!
シールや刃型が大量に保管されている倉庫や、これまでに制作したサンプル、用紙サンプルなんかも、手にとって拝見させていただきました。

谷口シールさんのシールの在庫風景

ブレスト会では、なかなか面白いアイデアが出ていました。イベント当日、どんなブースを出展されるかとても楽しみです♪

谷口シールさんのブレスト会の様子

その後に企画してくださったお食事会でも、会話が弾みました。社長のお人柄もあって、終始楽しい会となりました。

9/12 大阪シーリング印刷株式会社

大阪シーリングさん

初めにサンプルを見せていただきながら、自社オリジナルで開発されたシールを解説していただきました。

今までに産学連携プロジェクトやデザインコンペなどでオリジナルシールを考え、Item OSPとしてブランド化(販売はまだ)されています。特にフルーツメッセージは、テレビでも取り上げられるほどの話題になっている製品です。

大阪シーリングさんのブレストの様子

その後、パッケージ設計部を見学させていただき、自社で独自開発しているパッケージの設計について解説していただきました。設計チームは10人ほどいらして、シールの製造だけでなく設計にも強い様子が伺えました。

最後にクリエイターとのコラボについては、今年のペーパーサミットだけでなく、「アイデアがあればいつでも募集しています。」とお話しされていました。

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